天上の青<上>(P+D BOOKS)

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大久保清事件をもとに書かれた名作の上巻

波多雪子の家の庭先に咲いていたヘヴンリー・ブルー(天上の青)という朝顔を見て、「きれいな青だなあ」といって近づいてきた宇野富士男。じつは三十過ぎだというのに定職を持たず、青果店を営む実家に寄生しながら気ままに生きている男だった。その後も時折訪ねてくるようになった富士男のことを、「いささかの不実の匂いのする男」だと感じながらも穏やかに受け入れる雪子は、富士男が他の女性と交わった話を聞いても動じるようなそぶりは見せない。しかし、「俺がもっと決定的にだめな人間だってわかった時、あんたは愛想を尽かすよ」という富士男は、連続殺人犯だった。
女子高生やデパート店員、書店の客など、誘いに乗りそうな女性に声をかけ、天才的ともいえる作り話で共感を誘って、最後は自分勝手な怒りを爆発させ殺してしまう――。でも、凶行に及んだあとは、決まって雪子を思い出し、「一度でいいから膝枕さしてくれないかな。そうすると、とても安心できるような気がするんだ」と甘えたりする。はたしてこの奇妙な関係はいつまで続くのか――。
1970年代に発生した連続殺人事件を下敷きに書かれた渾身の長篇。

波多雪子の家の庭先に咲いていたヘヴンリー・ブルー(天上の青)という朝顔を見て、「きれいな青だなあ」といって近づいてきた宇野富士男。じつは三十過ぎだというのに定職を持たず、青果店を営む実家に寄生しながら気ままに生きている男だった。その後も時折訪ねてくるようになった富士男のことを、「いささかの不実の匂いのする男」だと感じながらも穏やかに受け入れる雪子は、富士男が他の女性と交わった話を聞いても動じるようなそぶりは見せない。しかし、「俺がもっと決定的にだめな人間だってわかった時、あんたは愛想を尽かすよ」という富士男は、連続殺人犯だった。女子高生やデパート店員、書店の客など、誘いに乗りそうな女性に声をかけ、天才的ともいえる作り話で共感を誘って、最後は自分勝手な怒りを爆発させ殺してしまう―。でも、凶行に及んだあとは、決まって雪子を思い出し、「一度でいいから膝枕さしてくれないかな。そうすると、とても安心できるような気がするんだ」と甘えたりする。はたしてこの奇妙な関係はいつまで続くのか―。1970年代に発生した連続殺人事件を下敷きに書かれた渾身の長篇。

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