風の二代目-小料理のどか屋人情帖 28 (二見時代小説文庫)小料理のどか屋人情帖 28

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のどか屋の常連、幕府黒四組のかしら安東満三郎が千吉らの前で言った―。おれも女房に声をかけるとき、迷った末に前へがっと進んだ。おれから声をかけたんだ。習いごとの帰りによくすれ違ってたから。あん時に吹いた風をまだ憶えてる。風が背中を押してくれたような気がした。ここを逃して、そのままべつべつの向きへ歩いて行ったら、もう縁はねえと思った―。

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