◆第一句集
薔薇の芽やピアノが止めば雨の音
俳句は、最終的には孤のものである。孤心と呼ぶべきものをもっていなければ、流されて何も残らない。仲間と別れたあとは、孤独な戦いが始まる。つぎに何をなすべきか、何をやりたいのか、自分自身と向き合って考えるしかない。
序より・片山由美子
◆自選十二句
秋風や次の誰かを待つベンチ
東京の夜空も見慣れ洗ひ髪
梅雨寒やひとりの夜に鳴る電話
香水や思ひ出少しづつ歪み
ためらひの一瞬ありて椿落つ
この街のむかしを知らず木の葉雨
渚ゆく波より白き日傘さし
夕空をすこし汚して落葉焚
夜はひとの入れ替る街沈丁花
並走の電車も混みて朝ぐもり
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