東に祟られた人がいれば駆けつけ、西に呪われた人がいれば行って話を聞き、南に取り憑かれた人がいれば心の丈を吐き出してもらい、北に力尽きた人の遺したものがあればそれをできるだけ具に拾い集めていく(巻頭言)―本書はそうして世に生まれた聞き書き怪談録である。ある人が臨死体験で見た世界…「問い」、古民家の庭に放置された空の檻から聞こえる唸り声…「売り物件」、母を襲う蛇を必死で殺す夢の意味…「蛇」、廃屋の撮影中に鳴る笛の音と押入れから出たリコーダー…「魔境の笛」、転居先で出会った少年に連れられて行った長屋で見た四人の不気味な母…「母ちゃん」、旅館に掛けられた動く少女絵…「日の丸構図」他、生々しい恐怖が息づく46の怪!